目次
- 1 メンテナンスのたびにサイトが落ちる
- 2 プラグインの処理で高負荷がかかりサイトが落ちる
- 3 プラグインがブラックボックスなので、設定変更での問題解決は難しい
- 4 WordPressでプラグインを使うなら、メモリ1GBは必要
- 5 LightSailがメモリ512MBでWordPressインスタンスを立てられてしまう理由
- 6 泣く泣く月5ドルのプランに移行する
- 7 手順① スナップショットの作成
- 8 手順② スナップショットから新規インスタンスを作成
- 9 手順③ 月5ドルのインスタンスプランを選んで作成
- 10 手順④ 固定IPアドレスの付け替え
- 11 手順⑤ 古いインスタンスの削除
- 12 手順⑥ 手動スナップショット作成と自動スナップショットの設定
- 13 メモリが1GBになったが、それでもギリギリ感が……
メンテナンスのたびにサイトが落ちる
無職の私は、生活のために100円でも出費を切り詰めなければなりません。WordPressでサイトを再構築した際も、AWSのLightSailは「月額 3.50 USD から」の安さが売りなので、迷わず月3.5ドルのコースを選びました。
しばらく様子を見ていましたが、1日のアクセス数が30人前後なのでサイトへのアクセス負荷は問題なし。その後、写真や動画を掲載するために別途CloudFrontでCDNを構築して大きなファイルを逃がしたため、ギリギリ乗り切れるだろうと高をくくっていました。
しかし、その考えは甘かったのです……。
プラグインの処理で高負荷がかかりサイトが落ちる
しかし、サイトを整備してプラグインが増えてきたことから、プラグインの設定変更を伴うメンテナンス作業を行うたびに管理画面がフリーズ状態になり「サイトが落ちている」という警告メールがWordPressから届くようになってしまいました。
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プラグインがブラックボックスなので、設定変更での問題解決は難しい
一般的なWebサーバーやデータベースサーバーなどが高負荷で落ちる場合は、使用メモリなどの設定を変えたりデータを整理することで負荷軽減が可能なこともあります。しかしプラグインは色々なベンダーから提供されている上に、ブラックボックスで処理内容がユーザーにはよく分かりません。個別の設定変更では解決が難しいので、泣く泣くLightSailのプランを月3.5ドルから月5ドルにアップグレードすることにしました。
WordPressでプラグインを使うなら、メモリ1GBは必要
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LightSailの3.5ドルプランはメモリが512MBと「5年前のスマホかよ」という少なさです。LightSailのWordPressインスタンスはbitnamiスタックというシステム構成でOSはDebian Linux。GUIが無くCUI操作なので512MBでも動作はします。しかしギリギリなので、重い処理をするとメモリ不足で処理が止まってしまいます。CPUは遅くても待てば済むことが多いのですが、メモリ不足は致命的です。
今時のVPSではGCPやOCIなど大手がメモリ1GBのVMを無料で提供しています。プラグイン作者もメモリ消費を考慮してはいるはずですが、既に「WordPressを立てるならメモリ1GBがミニマム」と判断されていると思われます。ソシャゲの肥大化と同じですね😭
LightSailがメモリ512MBでWordPressインスタンスを立てられてしまう理由
天下のAWS、WordPressでちょっと欲張ると3.5ドルプランでは管理しきれなくなることを知らないはずがありません。しかし実際には3.5ドルプランでWordPressインスタンスを立てられてしまい、私のように管理画面が落ちることになってしまいます。
これは、LightSailが『OS/アプリケーションスタック』と『インスタンスプラン』を一切紐づけておらず、全ての組み合わせでインスタンスを立てられるのが理由です。端的に言えば、プラン選択もアプリ選択も『自助』『自己責任』という考え方でサービスが構築されている、ということです。
WordPressはまだ512MBでも動きはしますが、ショッピングカートの『Magento』ではアップデートに2GBのメモリが必要で、512MBでは初期設定すらまともに出来ません(月10ドルのプランなら動くでしょう、たぶん)。このように、自分が使いたいアプリと用途でちゃんと動くミニマムのプランを見極めてから始めるのが基本です。
とは言え、サービスが落ちると致命的な企業サイトでなければ「とりあえず立ててみて、ダメそうならスナップショットを取ってアップグレードする」という「痛い目に遭って覚える」やり方もアリでしょう(負け惜しみ)。ボタンひとつでサーバーを落として引っ越せるため失敗のダメージが少ないのはクラウドの長所です。
泣く泣く月5ドルのプランに移行する
というわけで、無職で経済的に厳しい折ではありますが、月3.5ドルのプランから月5ドルのプランに移行することにしました。
手順① スナップショットの作成
LightSailは、システムの再構築なしにプラン変更が可能です。具体的には、まず既存インスタンスのスナップショットを取ります。
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手順② スナップショットから新規インスタンスを作成
スナップショットが出来たら、クリックして『新規インスタンスの作成』を選びます。
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古いスナップショットを使うと先祖返りしてしまうので、アップグレードしたいインスタンスの最新のスナップショットであることを再確認します。
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手順③ 月5ドルのインスタンスプランを選んで作成
『新規インスタンスプランの選択』で、左から2番目の『$5 USD』のプランを選びます。メモリが1GBと倍増するほか、ストレージ40GB、転送量2TBと全体的にスペックが倍増します。
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一時的に同じ中身のインスタンスが2つ併存する状況となります。固定IPアドレスが古いインスタンスに紐づけられているので、新しいインスタンスはまだ公開されていない状況です。
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手順④ 固定IPアドレスの付け替え
『静的パブリックIPアドレス』の管理画面で古いインスタンスから固定IPアドレスの割り当てを『デタッチ』で解除します。この操作に伴って一時的にサイトが落ちるので、アクセスが少ない時間帯に実施するのが無難です。
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続いて、固定IPアドレスを新しいインスタンスに紐づけます。
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アタッチが終わったら、Webブラウザでサイトが無事表示されていることを確認します。キャッシュの影響でサイトが落ちていても表示されてしまうことがあるので、動作確認は他のブラウザやスマホを使うかキャッシュを削除してから行うのが安全です。
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手順⑤ 古いインスタンスの削除
インスタンスがふたつ併存した状態では二重に課金されてしまうので、古いインスタンスを削除します。インスタンスを削除すると自動スナップショットも同時に削除されるので気を付けましょう。
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手順⑥ 手動スナップショット作成と自動スナップショットの設定
インスタンスを作り直すとスナップショットの設定も消えてしまいますので、作り直します。念のため、手動スナップショットも作成しておいた方が良いでしょう。
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メモリが1GBになったが、それでもギリギリ感が……
新しいインスタンスのメモリ使用状況を確認すると、メモリ1GBでも128MBしかメモリが余っていません。
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スワップがあるとは言え、データがSSDに落ちると処理速度が大幅に下がってしまいます。スワップ処理がフリーズにつながることもあるので、やはり最低限メモリ1GBはあった方が良いでしょう。もちろん、その分お高くつきますが……😭